ミツバチの謎の大量死 【K.Sota Blog】

投稿者: | 2013年10月23日

 ミツバチは蜂蜜採取だけに限らず、多くの果樹や野菜の受粉に関わり、農業への影響が大きい昆虫です。

 ところが、そのミツバチがなぜか、大量にいなくなったり、死んでしまったりという現象が世界中で発生しています。原因は、まだハッキリわかっていません。農薬や異常気象、あるいはダニなどが疑われているようです。

 そんな中、今年5月にEUでは、ネオニコチノイド系農薬という新型農薬がミツバチ異常の原因である可能性があるとして、うち3種を2年間の期限付きで使用禁止措置にしたようです。科学的に因果関係が十分に証明されていないという中での規制です。

 この決定は、規制された農薬を使っている農業者にとっては、非常に厳しいもので、経済的なリスクを伴うものです。それにも関わらず、EUが規制に踏み切ったのは、EU条約の中に「予防原則」をいう規定があるからです。

※予防原則とは?、化学物質や遺伝子組換えなどの新技術などに対して、環境に重大かつ不可逆的な影響を及ぼす仮説上の恐れがある場合、科学的に因果関係が十分証明されない状況でも、規制措置を可能にする制度や考え方のこと。
マーストリヒト条約(欧州連合条約、EU条約)では、「EUの環境政策は予防原則に則り、防御的措置を講じ、環境への被害に対しては発生源で対処することを優先し、費用は汚染者負担とすべきである。」としています。

 今後2年間で、EUは、ミツバチ大量死の原因究明だけでなく、環境への影響や、さらには当該農薬規制による代替案や費用対効果なども検討していくようです。(規制撤廃の可能性もあります)

 一方、日本でも画期的な取り組みが進められつつあります。長崎県の壱岐で、地域の関係者がミツバチ問題の協議会をつくり、話し合いで農薬使用規制を始めています。

 農薬を使わなくなった農家に対して、養蜂家がレンゲの種を無料で配り、そこで蜂が蜜を吸い、そしてそのレンゲが鋤きこまれて稲の肥料となっていく好循環の取り組みです。

 EUのように広域かつ制度的な取り組みも重要ですが、壱岐のような話し合いでWinWinの関係を作っていくことも素晴らしいと思います。

※この件については、2013年9月12日のNHKクローズアップ現代で放送されています。
また、この時コメンテーターとして出演された、科学ジャーナリスト小出五郎さんのブログに詳しい内容が書かれています。
「ミツバチ大量死」放送の反響について」

※長崎県壱岐での取り組みについては、こちらを参考にしてください。

#農業 #ミツバチ #ネオニコチノイド系農薬


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